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- ごー♡うえすと 13
西へ行こう!愛してる 君も僕を愛してくれてる君が欲しい 否定なんてできないよだから 僕は拒まない君が言うなら 君に任せるよkあまりに性急なことの運びに戸惑うが、若さとはこういうものかと自分に言い聞かせて、男のペースについていくしかないと心を決める。その流れのまま、私はいきり立った男のペニスをゆっくりと上下にしごく。「うぐっ、」男が切ない声を漏らす。今度は右手を唾で湿らせて熱を帯びた亀頭の先を刺激する。「あっ、」と短い声が男の口から漏れる。「あ、ああああっ、」と男の声は私の指の刺激に合わせてさっきより甘く高いトーンに変わった。感じているらしい………少しの間、男の反応を楽しむように両手で代わるがわる亀頭や竿に刺激を加える。グチュグチュと粘っこい音をたてて私は男のペニスを丁寧に激しく優しく乱暴にもてあそぶ。若いペニスはビクンビクンビクンっとこちらの動きにあわせて敏感に応えてくる。勢いを失った自分のモノに比べて男のモノはイキのいい動物のように生命力に満ちた躍動感を体現している。「うぐぐぐっ」と声を漏らしながら繰り返される愛撫に辛抱できなくなったのか、男は腰をひいて逃げようとする。私はすかさず右手で男の尻を掴み自分の鼻先の位置に男のペニスが来るように引き寄せる。ペニスの若干尿と汗が混ざった香ばしい匂いを鼻に思いっきり吸い込むと、そのまま充血して膨れ上がったペニスを口で包むようにいっきに頬張る。太めのペニスが私の口の中で暴れているのを私は味わうように喉の奥まで飲み込む。久々に飲んだ先走りのドロッとした質感が忘れていた私の中の雄を呼び戻すように感じた。少し嗚咽しながらも、男のペニスを喉の奥で締め付けながら同時に自分の舌をペニスの裏側にねっとりとまとわりつかせる。そのまま舌の先を竿の根本から鬼頭の裏まで細かく行き来を繰り返す。「うっ、あうっ」と右手で男の尻を掴んでしっかりとロックしたので男は逃げられない姿勢のまま刺激に悶えている。ズボズボズボズボッと空気と一緒に男のペニスが私の口の中に出入りする度に卑猥な音をたてる。私は何度何度も何度も喉の奥にペニスを飲み込むのを繰り返した。そのつど舌をペニスの先端の割れ目、鬼頭の裏筋、竿のつけ根を舐め挙げて切ない声を漏らす男の反応を楽しみながら自分のペニスもひさしぶりに固く勃起していることに気づく………熱い血液の高ぶる感覚が股間に集中して何ともいえない甘酸っぱい切ない波が押し寄せてくる気分だ。懐かしささえ感じるほど忘れていた感覚に自分でも驚く。そして、何度目かのディープスロートで口の中のペニスがこれ以上無いくらいにパンパンに膨張しているのを感じる。「そろそろかな…」と私は男が限界を迎えているのを喉の奥で察した。男は苦しいような切ない声を出して腰を何度か痙攣させた。「ううっ、いっちゃう、いっちゃう…」と小さく声をあげる、と同時に私の口の中には青臭い精液の匂いが充満していた。 「すいません」とさっきの青年は申し訳なさそうに前かがみになり私の耳元で囁く。私は目の前の彼の太ももを撫でながら、「いや、ありがとう」と小声で返した。「こんな親父の相手をしてくれて嬉しかったよ」と心の中で繰り返し言っていたのは、緊張感も取れてゆったりとした気持ちで素直にそう思ったからだ。ほんの短い間でも肌を触れ合えて楽しかった。おまけに若いモテ筋の青年に相手にされたことに喜んでいる、単純な自分の性格に少し気恥ずしさを感じてもいた。目の前の彼に気づかれないように口の中に溜まった多量の精液を手の平にそっと吐き出すと足元の床に投げた。しかし若い子の精液の量の多さには驚く。私の倍くらいはあるのではないだろうか。どこかで一生の精子の量は決まっていると読んだことがある。いや、卵子の方だったかな?どちらにしても射精一つとっても終わりかけている私より勢いと力強さが比べ物にならない。私は口の中に残る青臭い苦味の余韻に浸りながら、とりあえずシャワールームに行こうと考え、彼の太ももを二回軽く叩く。ありがとうの意味を含め、小さな子供の頭を撫でるように感謝の気持ちを込めて、言葉にならない何かを伝えたつもりだ。私はヌルッと滑るサウナの壁の側面に注意しながら左手をかけて、立ち上がるために両足に力を込めた。「うおっ、」と思わず私の口から声が漏れる。私の目の前には性を放ったばかりの彼がサウナの床に跪いてすでにしぼんでしまった私のペニスを頬張ると顔を前後に動かしていた。さっきの状態が噓のように小さく縮こまって中々大きくならない私のペニスを彼は丁寧にしゃぶり上げる。しばらくぶりの快感に驚いたのか私のペニスは中々回復できない。私は目を閉じて自分の下半身のその部分、一点に意識を集中する。「おおっ、こんな感じだ!」とやるせない感覚が下半身から全身に、脳内に伝わる。久しぶりのフェラチオに頭の芯までうっとりするような心地を覚える。これだ!この感じだ!と忘れていた感覚が呼び戻されるようだ。やはりフェラチオは男にやってもらうに限る。プロを含めて何人もの男女にくわえてもらったが往々にして男の方が上手かったと思う。やはり自分自身が持っているモノだから。いや、本質的に男はペニスが好きなのだ。なれ久しんだものであるが、形状や匂い、その存在が何故か愛おしく思える。ホモでなくてもそれは当てはまる。見た目が女性そのもののニューハーフもペニスが付いている方が需要も多くなる。そういうことだ。「くっ、うううううっ、」と恥ずかし気もなくいつの間にか小さく声が漏れてしまう。彼はテクニックがあるというより懸命に奉仕してくれている。そんな気持ちが伝わってくる気がするので余計に体だけでなく気分も高揚してくるのだ。セックスは繊細なもので相手と感情がリンクした時に、とてつもなく快感が高まるがことがある。単なる性器の摩擦では本当の快楽は得られない。私のペニスをしゃぶりながら彼は自分の両手を私の左右の手に絡めてくる。私が強く握り返すと彼は嬉しさを表すようにより強く握り返してくる。私たちは体の一部を重ねることでお互いの感情の何かを共有しようとしていた。たとえそれが今だけのことでも、目の前の彼と同調して彼の存在を理解したいと思う。セックスは肉体的にも精神的にも他人である二人が肌を重ねることによってお互いを受け入れて一つになる。なりたいと思う。自我を捨てて、恥じらいを完全に捨てて、すべてをさらけ出してお互いの存在を共有出来た時にこの上もない多幸感が得られる。セックスにケミカルな薬を使うホモが多いのは、クスリで手っ取り早く自我を捨てるためだ。だが、安直な行為はシラフに戻った時にグッタリした自己嫌悪が襲ってくる。クスリが見せる幻はそれが冷めた時に悪夢しか引き寄せない。頭が真っ白になるくらいセックスに集中する!いや、むしろセックスをしているという行為を忘れるほどただ快楽に身を委ねる。溺れる。それが相手を知る、同化する、一つになるプロセスなのだ。「う、ぐぅあああっ、」と忘れていたフェラチオの痺れるような感覚に私のペニスは最近では珍しいほど固く強く勢いよく反り返る。先走りでグジョグジョになった亀頭の先の割れ目を彼の舌が這うようになぞる。先走りを旨そうに舌ですくう。私のペニスを頬張る彼のそんな姿に何度も気をやりそうになるのを耐えた。「もうダメだ………」私は絶頂を迎えようとしていた。その時、彼は立ち上がって私の顔に自分の顔を近づけきた。階段で見た顔だ。きりっとしたバランスのとれた顔立ちにまだ子供っぽさを残した瞳が長いまつ毛の奥に潤んで切なそうに私を見つめている。私たちは乱暴にお互いの唇を重ね、気持ちを確認するかのようにお互い口を強く吸い舌を激しく絡ませた。音をたてて互いの唾液を飲み込む、痛いくらいに相手の舌を噛む。右手で彼のペニスをまさぐるとすでに回復してドクンドクンドクンと大きく脈打っている。さっき果てたばかりなのに、疲れを知らない若さに驚きながら、憧れに近いうらやましさを感じていた。私は目の前の彼が可愛くて可愛くてどうしようもないほど可愛く思う。それが射精するまでのセックスが見せる幻想かもしれないが、今は彼の全てを貪り尽くしたい衝動を覚えた。私は右手で彼のペニスをしごきながら左手で彼のアナルの入り口に指を一本ずつ挿入していった。排泄の場合は出口だろうがホモのアナルは性器でもあるので入り口扱いになるわけだ。彼は先にオイルを仕込んでいたらしく、一本、二本、三本、四本とズルズルズルとスムーズに私の指を咥え込んでいく。ビクンビクンビクンとひくついた彼のアナルはそこだけが独立した軟体生物のように口を拡げ獲物を欲してうごめいている。「うっ、あああっ、いい………」と大きめの声を上げる。熱いモノが欲しくて我慢できなくなったのだろう、彼は後ろを向くと私のペニスをアナルの入り口に当てるとそのままスクワットの要領で腰を落としていく。すでに指でほぐれているアナルはズブズブズブと音をたてていきり立った私のペニスを一気に飲み込んだ。「うっ、あああっ、入ってる入ってる………」と、彼は前立腺の刺激を楽しむように強弱をつけて自分の腰を振っている。私は彼の動きに同調するように下から彼のアナルを貫くように自分のペニスを突き立てる。薄暗いサウナの中で彼の程よく筋肉の張った背中に汗の雫が小さな星々のように反射して煌めく。もっともっともっととのけぞって快楽を楽しむ後ろ姿に、より愛おしさが増していくようだ。私のペニスに熱を帯びた彼の直腸の粘膜がみっちりとまとわりついて、絞めては緩める緩急をつけた刺激が何とも言えない切ない快感を私の頭の先まで痺れさせる。「うぐ、うううぐ、ううっ」とあまりの気持ちの良さに思わず下品に唾を垂らしながら声を漏らしてしまう。狭いサウナの中で二人の荒い息がシンクロしてこだまする。こんなにセックスに陶酔したのはいつ以来だったか、私は何度か達する絶頂感を避けながら、このまま永遠に彼と繋がっていたいと心の底から願っていた。気づくとサウナの中にいる男たちはプレイを止めて私たちの交わりを食い入るように見つめている。いや、ペニスに貫かれて激しく喘ぐ彼の姿に見入っているのだ。乱れる彼の姿を囲むように立ち、各々に自分のペニスをしごきながら熱い息を漏らす。彼自身はギャラリーなど気にしない様子で顔だけ私の方に向けると恍惚の表情を浮かべ、切ないうめき声を発しながらもっともっともっともっと!と腰をくねらせせがんでくる。私は気を漏らさないように注意しながら彼の希望に応えようと彼のアナルに自分のモノを深く深く下からえぐるように突き上げていった。
2025/09/01 - ごー♡うえすと 12
K私は興信所を使ってあの子の居場所を探していた。まだハッキリと成果は出ていないが………あの子を確実に確認することできた最後の場所がこの店だった。バー「ズンドコベロンチョ!」重い足を引きずって二丁目に来たのは、自分の目でこの場所を確認したかったからだ。 まったく人の感情なんて当てにならない。自分の気持ちなのに持て余してしまう………一度は自分自身で拒んでおきながら、相手が消えてしまうと今度は追っているんだ。この年になってもまだそんな思いが残っていたことに、正直自分自身が面食らっている。愛という感情は理論的に割り切れるようなものではないということか。年甲斐もなく、こんな風に人を欲するとは………想像もしていなかった。まあ、すべてが歪なわりに何事にも開き直る、未成熟な私の性質がもたらすものではあるのかも知れない。私は自分の親を知らない。弟と二人、親戚の家をたらい回しで育った。まだ物心つく前に親に捨てられた。親がいないことが寂しいという気持ちは持っていなかったと思う。始めから親がいなかったから、それがどういうものかわからないからだ。親戚の家で実際の家族と私たちの待遇の格差はそれなりに感じてはいた。それも仕方のないことだと理解していた。うらやましいという感情より、実の子供では無いことが事実だと認識していたからで。まあ、現実はそんなものだろうと子供ながらに半ば諦めの気持ちで受け止めていたのかもしれない。ただ、親戚の家の経済状況と家族間の関係性に私たち二人の立場はかなり左右された。が、面白いことに多少お金を持っていて羽振りが良く見えている家族の間こそ、人間関係は上手くいってないような場合はよくあることだった。またその逆に、あまり経済的に余裕がない家族でもすこぶる家の中の雰囲気が明るくて家族で笑い合える、そんな居心地の良い家もあった。そんな時はこんな私でもここにずっと居たいと思ったりしたが、そういう家族に限ってどうしようもない事故に見舞われたりするもので、こちらの希望通りに上手くいかないのが現実だと痛感した。それと、資産を多く持っているのと他者に対する優しさは比例しない。同じ一族なので似たような遺伝子のはずなのに、個人によって性格は様々なバリエーションを持って出てくるものだ。人間関係の醜態に近いいざこざは、子供の頃からアッと驚くような場面に何度も出くわしたものだ。それにも慣れ過ぎてしまって、すぐに笑い話にもならないくらいになっていった。私の感情の起伏が表面に出づらいのは、こんな育ち方が原因かもしれないと思う。そんな私が人並みに親になっても子供に対しての愛し方がわからない、そんな事実を突き付けられた。やはり自分が親から受けた愛情表現が刷り込まれて、それが自分の子供に伝えるようになっているのだろうか。DVを受けて育った子供が親になって自分も手を上げてしまう。そんなニュースを目にするたびに、「まあまああるだろうなー」と思ったものだ。きっと、人間の愛情というか大きな括りで欲望かな。それに伴う感情の表現方法は身近なそれを模倣するものなのだ。それは振る舞いや考え方というより、本質の欲望を真似するのだと思う。遺伝するとも言えるかな。そういう意味で、親からのこれといった愛情をうけていない私は、自分の子供を目の前にしてどんな風に接すればいいかまったく想像できずに立ち尽くしてしまう。元になるロールモデルがいないため、自分オリジナルの表現方法がわからずに困ってしまっていたんだ。ああっ、それもあるが、根本的に精神のどこかに欠落している部分が初めからあるのかもしれない。と、うすうす自分自身でも気づいてはいた。まあそれも、先天的なものだと自分で直ぐにあきらめてしまっていた。物事を突き詰めて考えてみたり、心底悩んでその結果を出す………そんなことを簡単に放棄してしまうところが根本的に人としてアレな部分ではあるかな。それに私は貞操観念がほとんど無い。おまけに、オールマイティーに男女の区別なく愛せる。これは愛と言うより性行為の対象になるという方が合っていると思う。しかも、年齢にもあまりとらわれない。死にそうな年配者とは関係をもったことはないが、下は小学校高学年からなら対象にできる、と思う。まあ、二丁目でいう「ダレ専」というカテゴリーだ。だれかれかまわずやってしまうタイプのホモをからかい半分に揶揄してそう呼ぶのだ。自分で言うのもどうかと思うが、こういうタイプは周りからしたら迷惑でしかない。一人ひとりに対する愛情の量も薄い。とりあえず、機会があったらその場で関係をもってしまう。もちろん好みの範疇の中でのことだが、その好みの幅が普通よりだいぶ広く設定されているから、それが知り合いのパートナーやお弟の嫁だろうと、やれる範囲であればみさかいなく関係をもった。同じ相手と何度も関係を持つと面倒くさいとは思うが、それが悪いという気持ちは起きない。どういう心理なのかと言われても、それ以下でもそれ以上でもない。やはり、他者に対する愛情が希薄だからできることだと思う。自分の妻に対しても悪いという気持ちは少なからず持ってはいるが、そんな状況下になったらためらうことはなかった。基本、道徳観念が欠如しているのだ。後ろめたさはまったく湧いてこない。今になって謝っても、誰も許してはくれないだろうが………家族も呆れているというかあきらめていると思う。年を取ってからはまったくそれを隠すこともしなくなった。対外的にはある程度取り繕っていたが、内側は何も無い。虚無感の塊みたいな存在だった。今でこそ現場の事故で背骨も曲がってしまったが、健康な時は体力も有り余っていたし、性的にも引きが強かったのか遊ぶ相手が途切れることはなかった。選択肢が男女両方だと、単純に考えても二倍の出会いが可能なわけだ。まあ、若さという勢いの部分もあったと思う。近頃では、こんな私でも枯れてくるものなのだと、自分の体の老いを意識するようになってきている。そうすると、自然と性的な気力も萎えてくるのは幾分の寂しさ隠し切れない。そんな時あの子に出会った。所用で入谷に出かけたさい、通りかかったホモ用の「発展サウナ」に久しぶりに入館してみたのだ。体はこんな状態になっているし年齢的にもハンディは高くなるが、何十人もいるはずだから若い時のようにチヤホヤされることは無くても中には一人や二人のモノ好きはいるだろう!と、期待を敢えて持たずに気力を奮い立たせて受付のカウンターに入館料を払い私物を入れるロッカーの鍵をもらった。表向きはサウナということになっているが実際はホモたちが集まるセックスビルだ。オールタイムで二十四時間稼働しているので「二十四会館」と呼ばれている。それと入館料が二千四百円なのもそう言われる理由の一つになっていた。二十数年前に建った十階だてのビルは、上の三フロアが個室の宿初施設、一通り設備が揃ったジムやレストラン、カラオケスナック、屋上にはこじんまりしたプールまで備えてある。もちろんこの大きさの発展サウナは世界でも一番の規模だと思う。全盛期は一日に三千人のホモが出入りをしていた。アメリカ人やヨーロッパ人ではこういったビルは成立しないはずだ。セックスの概念も違うが、アメリカ辺りでやったらクスリとそれに付随した暴力沙汰、盗難や盗聴、想像しただけで目も当てられない状況が浮かんでくる。ゲイを好ましく思っていないカルト団体からの風当たりも強そうだ。サウナの中も、出入りのできる刑務所さながら最悪の治安の場所になってしまいかねないと思う。私は一階のロッカーに荷物と洋服を入れてからエレベーターを使い大まかに全フロアの様子を見て回った。一番のメインは布団を引き詰めた乱交部屋、四方の壁が鏡張りになったSNルームなどだ。どの部屋も薄暗く、かなり近づけないと顔も確認できないように照明を落としている。日本人の場合、少し暗く湿った雰囲気の方が気分も上がるということか。相手の顔を確認してからことに及びたいヤツは、乱交部屋の前の通路で娼婦のように「立ちんぼ」をしながら好みの相手を品定めする。その通路は通称「ランウェイ」と呼ばれ、モデルさながら自分に自信のあるホモがキャットウォークのように、顔を上げ胸は張り肩をいからせて男を過剰に演出して歩いている。そのいつまでも変わらない懐かしい光景を目にして私の口元は思わず軽く緩んでくるのがわかる。若さは、一線を引いて少し距離を置いて見るとかなり気恥ずかしいものだ。しかし、ここも少し前のコロナの騒動で打撃を受けただろうが、今はそれなりに人も入っているようだ。十数年前と違うのは明らかに肌の色の違う外国人が増えたことだな。こうなると、日本人のゲイの好む流行のタイプも時代と共に少しずつ変化していくのだろう。それこそ色んな国の文化が混じって美意識や生活の価値観が変わっていくのと一緒だ。エイズやコロナ、世界的な感染症の猛威でホモの発展場も何度か存続の危機に直面した。二丁目のスナックなどのサービス業も一緒だ。何とかしのいだのだろう………セックス産業はどんな時もしぶとく生き続ける。男女も含めて形は変わっていくだろうが、未来永劫この世から性欲が無くならない限り存在は消えることはない。私も今、体を洗う用のタオル一枚で前を隠して、下手したら四十才も年が下の孫のようなホモたちの前に年老いた体をさらしている。まさか自分がその年になってもこういう場所にいるとは想像もしてもいなかった。そんな思いが頭によぎってしまい、少し気後れして何となく申し訳ない気持ちになっている自分自身が可笑しく思えてくる。一通り館内を回った後に、私は地下にあるサウナが併設してある風呂場に向った。問題はこのフロアだけエレベーターが無いことだ。私は仕事中脊髄を痛めたために平地でも左足を引きずってしまう。地下に伸びた階段は以前の私なら余裕で駆け降りることができたが、今はリハビリのような訓練の場所になっていたことに気づき、しばし呆然と立ちすくんでしまった。ついうっかりして自分のハンディを忘れてしまった………以前の健康な時の記憶が擦り込まれたままになっているのだ。この体になってから街の中は障害者に優しくないのがやっと実感として感じることができた。やはり自分の身に関わらないと、どこか他人ごとになってしまうのが現実だ。私は二度深呼吸して風呂場に伸びる階段を見下ろす。気を引き締めてスロープを握る右手に力を込めた。意を決して右足を前方に踏み出す。一段一段慎重に進む私の横を何人かの若いホモたちがすり抜けるように駆け降りていった。私はいったい何で無理してこんな所にいるのか………少しの後悔が頭をよぎっていた。自分をみじめに感じ、思わずため息が出そうになるのをこらえる。その時、「左手を僕の肩に回してください」という言葉と共に、いきなり軽くなった自分の体に驚いて左横を見る。一人の青年が頭を私の左の脇から滑り込ませて、私の腕を首にまくと自分の右手を私の腰に回していた。驚いて固まってしまった私に、青年ははにかんだような笑顔をつくっている。突然の予想していない出来事に私は何のリアクションをとることができない。「ああ、ありがとう…」となんとか感謝の言葉を絞りだしてみたが、頭の中は完全に真っ白になっていた。ただ密着した体から青年の熱い体温が伝わってくるのを感じて、ウズウズと体の中で忘れていたものが起き上がる気がしていた。そう言えば、他人とこんなに肌を密着したのは久しぶりだった。私は遠慮を感じながら、自分の心臓の音が強く大きく速く響き出すのを感じた。それを青年に気づかれそうで、自分の顔が熱く火照っているのを恥ずかしく思う。でも、そんな感情もどこか懐かしいような妙な安心感というか居心地の良さを覚えていたのも隠し切れない本音だった。くの字に曲がった階段の途中で一息つきながらやや冷静になって青年を見る。まだ二十代だろうか?そういえば、私の息子もこのくらいになっているはずだ………顔には一つのシミやシワも見られない。年寄りの肌と違ってハリやツヤも眩しいくらいに若さを主張している。不自然に刈り上げた髪型が多いこの業界では珍しく全体に四、五センチの無造作な長さの髪の毛がベビーフェイスの彼に良く似合っている。良い意味で、ホモらしくない雰囲気の若者だ。誰もがホッとするような可愛い顔つきをしている。最初は慌てていた私も、やや落ち着いて客観的に現状を見てみると、ハッキリと「介護」されている自分の姿を想像してしまった。恥ずかしさとみっともない気持ちで自分の体の状態に怒りがこみ上げてしまう。「大丈夫ですか?」と私の苛立ちを感じたのか青年が心配して口を開いた。「ああ、ありがとう。何も問題ないよ。後は自分でできるから君は先に行くといい」繊細なところがあるのだろう、彼は私の感情の変化を読み取っていた。「わかりました。濡れて滑りやすいですから気をつけてください。下で待っています」「ありがとう…助かたよ」彼は私の目を見てうなずくと踵を返して階段を駆け降りていった。「待っている?」今そんな風に青年が言っていた気がする。まさかー。都合のいい自分の妄想におもわず笑いがこみ上げてくる。力強く階段を駆け降りる彼の背中を見送りながら、その体が発している弾けるような存在感に目を細めながら、心の中では、自分が失った瑞々しい若さというものに、憧憬とほんの少しの嫉妬心を覚えていた。 湯船に入るのもやっとだった。自動ドアの正面、一番奥の位置に十人がやっと入れる大きさの風呂が配置してある。二段の階段の上に設置してあるのは全体を見渡せること、入口から入ってくる客を確認して品定めしやすいようにするためだ。客のニーズをしっかりとつかんでいる。これもオーナーがホモだからリアルなサービスが可能なのだ。ただこの段差が私向きではなかった。しかし、不格好だが気にしてはいられない。滑らないようにするのに精一杯なのが現実なのだ。ここで事故って救急車騒ぎにでもなったらそれこそ面倒くさい。開き直って自分のペースでやるしかない。周りの目を気にしていては何もできない。と、そんな風に私は自分自身に言い聞かせていた。風呂と体を洗うスペースはかなり明るい照明になっている。普通の銭湯並みの明るさが健康的にさえ映る。反面、シャワールームと左右に二つあるドライとスチームのサウナは薄暗くなっていて、どこか淫靡な雰囲気が気分を盛り上げる効果を演出している。横に並んだシャワーは個室になるようにドアがついていて内側から鍵を掛けられるようになっているのは、シャワールームでそのままセックスができるようにするためだ。シャワールームの隣との仕切りの壁の丁度腰の位置に丸い穴が開いているのは、そこから性器を出して隣の男を挑発するためらしい。シャワーにノズルがついていないのも、それを肛門に充てて肛門の中、直腸にシャワーのお湯を送り込んでプレイのために洗浄するためだ。すべてがセックス仕様にアレンジされている。私はノズルの無いシャワーを右手で持ちながらまったく良く考えるものだと改めて感心をしていた。それはそうと、期待を寄せたわけではないが、私は湯船の中からさっきの彼を探してみたがもう洗い場には見当たらなかった。ソコソコに人がいるが確認できないわけではない。彼ほどのルックスなら風呂場に入るなり誰かに誘われて、それこそシャワールームですでにコトを始めているのだと簡単に想像ができた。少し胸が痛んだが、それよりはそんな気持ちがまだ残っていたことに自分自身が驚いている。もしかしたら………と心のどこかで期待していたのかもしれない。我ながらバカな考えに恥ずかしさを感じる。たしかに自分が若い時にホモ用のサウナで確実に六十は過ぎているであろう年配者を見ては、「あれはないよな~」とあんな崩れた体で良く人前で脱げるものだ、のこのことよくこんな場所に恥ずかしげもなく来られるものだ、と冷ややかな目で眺めていた。自分はああならないようにきちんと鍛えようと、自分は年を取らないくらいに考えていたが、老いは確実に誰にも平等に訪れる。シャワー室の鏡に映る自分の姿が老人のそれと重なって、憂鬱な気分が頭をもたげてくる。若さとは非情なものだと我ながらバカだったと自分がこの年齢になって初めて気づいたのも、今日ここに来た意味があったということか。それでも、もうモテはしないだろうが奇跡的にいい出会いがあれば、そんな気持ちを捨てきれない自分がいる。まったく我ながら呆れるが、色恋、特に性欲は死ぬまで消えることはないのかもしれないな。それに、年を取ると恥という感覚も段々薄れていくのも事実だった。開き直りに近いものだ。それもこれも、すべては若いゲイから見たらすべては自分が老害と言われる年齢になったということか………暗いスチームサウナの中に入り水蒸気で籠った靄の中で目を凝らすと出口に近いところが丁度一人分のスペースが空いているのに気づく。サウナといっても低温で冬でも風邪を引かないくらいの温度設定なのはそもそもの目的がサウナではないからだ。かび臭い匂いとそこで排出された汗と精液の匂いが混ざった独特の空間の気配に包まれて、どこかホッとするのは慣れ久しんだ場所に帰ってきたというべきなんだろうか。次第に薄暗さに目も慣れてきた私はサウナ内の様子を伺う。若めな男が床に膝をついた姿勢で座っている丸々肥った男の股間に顔をうずめて頭を上下に動かしている。その右隣にいる男は自分のペニスをしごきながら太っている男の右の乳首に唇を充てて荒らしい音をたてて吸い付いていた。男はその肥えた体を震わせながら動物のように「うぐぁうぐぁぁぁ」と大きな呻くようなよがり声を発している。男の動きに合わせて女のような垂れたデカイオッパイがブルンブルンと激しく上下に揺れていた。それを横目で見ながら私はデブ専の女のAⅤを頭の中でイメージしていた。あそこまで太ると性の区別は無くなる。ペニスがついているかどうかの違いだけで、どっちとやってもそんなに代わんないんじゃないだろうか?相撲取りクラスになると男女関係なくヤレるデブ好きなノンケも意外と多い気がする。三人とも一つ一つの動きを大きく声も大きめに発していると思えるのは私というギャラリーができたことでプレイをより盛り上げようとする意識が働いているせいだろう。慣れない運動をして少し疲れたので、私は三人の邪魔をしないようにできるだけ静かにサウナの隅に腰かけた。三人は行為の最中にもかかわらず一瞬チラッと私の方を見たが、興味がもてないようすで私を無視して直ぐにプレイを再開していた。その時、目に前のサウナのドアが開いて、靄の向かうから見覚えのあるシルエットの男が現れたことに気づく。この薄暗いサウナの中でも何の迷いなく男は私の前に立つと、軽く自分の右手で私の頬を撫で、人差し指と中指を私の唇に押し当ててきた。私はその指を口に含むと、ねっとりと舌を使って念入りに舐る。男はその右手で今度は私の左手を掴むと、そのまま自分の股間に私の左手を導いた。私の手の先にはへその下に届くくらいにいきり立った男のペニスが脈打っていた。
2025/08/27 - ごー♡うえすと 11
コウキ「わかった!このオッサンってーカズトの待ち受けの男に似ているんだ!」と言うことは、カズトにも似ていることになる………カズトのスマホの画面を思い出すと、確かにそっくりな顔が浮かんでくる。改めてよ~く見るとたしかに似ている………身体のことを除けば顔はかなりイケてる部類のオヤジだ。顔だけなら老け線界隈ならAランクに入るな。まさか本物の父親ってことはないよね?それでカズトを探しに来た?ありえなくはない。気をつけた方がいいな。要注意ってことか………しかし、カズトはいなくなってもまだまだ話題の中心だ。それだけ大勢に愛されていたってことだ。俺がいなくなってもこんな風にはならないと思う。やはり、持っている魅力の差が出るんだな。俺だって、カズトにシットしながらも一方で惹かれているところがある。嫌いってことは好きってことでもあるんだ。そこは表裏一体、大した違いはない。カズトを否定すればするほど逆に想う気持ちも強くなる、そんな気がする。本当に嫌いな奴なら、自分の中から排除していないものとして認識するはずだから。突き詰めると、カズトのように周りの誰からも愛されたい、カズトのように大事に扱われたい、そんなことを俺は強く欲しているんだ。そう考えている時点で現実には報われることはない。それもわかっている。ものごとは面白いもので、欲すれば欲するほど手に入れられないものなんだ。でも反面、自意識が強くて自分にもその価値があると密かに心の中で思っているところもある。ある種、願望みたいなものかな?どこかで、自分には人々に愛される資格や魅力があると自分の中では認識しているんだ。まあ、それだけ自己愛が強いということだと思う。カズトと俺の決定的な違いは、カズトは他人に関心がなくて他からの愛も欲していない。俺は他者からの愛を欲しがって、それだから人のことも気になってしまうところだ。まったく始末に負えない。俺は今までもこれからも、一生、そんなことを願っていくのかな?どうしてこんなに愛されたいのだろう?しかも絶対数に。本来の持って生まれた性質か?子供の頃思ったほど愛されていなかったか?今、振り返ってみてもどちらもあってるしどちらも正確な答えじゃない気もする。愛する人、一人に愛されたいとかじゃない、不特定多数に愛されたいと思ってるんだ。「バカみたいだ!」と声に出して自分で言ってやりたくなるほど自分自身に呆れる。結局、誰よりも欲張りな性格で承認欲求がバカ強いんだろうな。ハッキリしているのは、その欲求を打ち消すことはできないのと、どう望んでもそれが叶うことはないってことだ。この願いを満たすにはカズトになるしかないのか?俺がカズトになれば全てが上手くいくのかな?カズトそっくりに顔を変えて、カズトのように振る舞って………完全にカズトのクローンのようになればみんなから愛される存在になれるのかな?そうかも!俺がカズトそのものになればいいんだ!こんな今の自分をすべて捨てて、カズトになってしまえばいいんだ。カズトの真似じゃないカズトそのものになる………そうすれば、周り全てが俺を愛してくれるのかもしれない。そうだ!簡単なことだ。オレがカズトそのものにすり替われば全てが上手くいく。それだよ! ユウキ今までオレは最悪の状況を自分の力で一つ一つ克服してきた自負がある。っていうか、倒してきた!に近いと思う。そういう意味で、敵が強ければ強いほど闘志が燃えてくる性格をしている。だいぶ好戦的と言えるかもな。それは自分を取り巻く生活状況や人間関係に対してだけど………特に人に関して「カッ!」となり易いのを普段から自分でもセーブするというか、かなり気をつけているんだ。もう豚箱はコリゴリだし。格闘技のリングに上がるのもその欲求を発散させるためだと思う。じゃないと普段の生活に厄介で変な衝動が暴走するかもしれないからで。オレは表面的には暴力を否定してるけど、どこか暴力に憧れ?そうだなー魅力を感じている部分があるのは事実だ。殴り合って、殴っても、殴られてもどこかエクスタシーを感じている。暴力の快感に酔いしれているんだ。そう、オレはどこかで暴力を求めているきらいがある。自分の手足の中に、自分の頭の中に、自分の腹の中に、自分の胸の中に、自分の吐く息の中に暴力の衝動が渦巻いている。と思う。どうしたって、激しい感情は激しい表現を伴うものだ。そんなオレだから、カズトを少しの時間でいいから無理やりにでも自分だけのモノにしたい!と心のどこかで強い願望を抱いているのを自分でも気づいていた。一生とは言わない。せめて一、二週間でいいから独占したい。たとえ突き進んだ先にバットエンドが待っているとしても、その熱量は下がらない、下げられない、止められないんだ。それはオレの持って生まれた性質だから、オレ自身にもどうしようもないことなんだ。と気づく。心の奥底にあるその願いは消えないというか、消すことができないよ。今まで無理矢理抑えていたモノがあの夜、堰を切って噴き出してしまった。オレはあの日、カズトが消息を絶ったあの夜、泥酔したカズトがフラフラになりながら新宿通りでタクシーに乗り込むのをハッキリとこの目で見た。普段酒も薬もあまりやらないカズトがあそこまでグデングデンになっているのに違和感を覚えた。多分、何かの薬物を盛られたんだとすぐにわかるほど、いつものカズトとらしくない、自分の足で立つこともできないほどの様子にオレは驚いていた。その時はオレも酔っ払いのパトロンの一人を介抱しながらだったから声を掛けることができなかった。そのことを本当に今になって後悔をしている………なぜなら、あの夜からカズトが消えた!この町から煌びやかなカズトの気配が無くなってしまったんだ。あの時、オレはカズトを助けることができなかった。後悔はいつも後からついてくる。少し頭を回せばやるべきことは明確なのに、うっかり見過ごしてしまうんだ。肝心なとこで詰めが甘い。オレはそんなことばかり繰り返している。この町のために、いや、それは噓だ。カズトのために、カズトを好きなオレのために、カズトとオレのためにやるんだ!こんな時こそオレの日頃は眠っている、眠らされている衝動ってやつを躊躇なく解放する場面なんだ。そうだ!カズトのためなら、これでカズトが少しでもオレのコトを振り向いてくれるならオレはやる!カズトを助ける!そのためなら自分の存在さえいらないと素直に思える。これは何だろう?カズトのことを想うと…なんだか体の奥底から熱くなってくるんだ!心臓も強く速く脈打っているのがわかる!この想いはオレにとっては初めての感情だ。そんな風に想うオレは、もうどこかおかしくなってんのかもしれないけど………カズトのために戦うことを心と体が欲しているんだ。オレの存在はこのためにあったとさえ思えてくるよ。心の奥から湧き上がる衝動………それは、純粋な愛ゆえの暴力だと思う。おそらくオレにとっての愛は、そういうやり方なんだ。 つづく~
2025/08/22